補助金申請の落とし穴にご注意!「実質0円」や「丸投げ申請」は不正行為にあたります
デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)をはじめとする国の補助金制度は、中小企業・小規模事業者のDX推進や企業成長をバックアップしてくれる貴重な制度です。しかし、その一方で「タダで導入できる」「手続きはすべて代行する」といった甘い言葉で不正に誘い込む悪質な勧誘が社会問題となっています。
一度でも不正に関与してしまうと、事業の継続を揺るがす甚大なペナルティを科される可能性があります。申請事業者のみなさまが守るべき正しいルールと、避けるべき禁止行為についての情報を解説いたします。
1. 絶対にNG!代表的な「禁止行為」
各種補助金の事務局や会計検査院は、あらゆる不正を厳しく取り締まっています。以下の行為はすべて不正であり、犯罪とみなされます。
- 実質0円やキャッシュバックを伴う契約
金額を水増しして申請し「紹介料」や「コンサル料」の名目で資金を還流(キックバック)させて自己負担額を相殺する行為は、重大な不正です。 - GビズIDの貸与・なりすまし申請
申請マイページの開設や交付申請の手続きは、必ず補助事業者自身が行わなければなりません。自社のIDやパスワードを業者に渡したり、手続きを丸投げすることは固く禁じられています。
※当社では補助金の申請代行・入力代行は行っておりません - ITツールの未導入や実態のない事業
実際にはツールを導入していない、あるいは役務(研修やコンサル)を受けていないのに、実施したと見せかけて申請する禁止行為です。なかには業者が偽った内容で申請していたケースもあります。 - 他の補助金との重複受給
同一の事業内容で、国から複数の補助金や助成金を重複して受け取ることはできません。
2. 無資格者による「申請代行」は法律違反です
補助金申請のサポートを受ける際、特に注意が必要なのが「誰が書類を作成するか」という点です。
- 無資格者による代行の禁止
行政書士や弁護士といった国家資格を持たない無資格者が、報酬を得て申請書類の作成を代行することは、行政書士法などの法律違反(無資格代行)となる恐れがあります。 - 事業者に及ぶリスク
有資格者ではない業者が「申請書を代筆・作成する」「顧客の名義で電子申請を行う」といった行為は違法です。こうした業者を利用した場合、事業者側もトラブルに巻き込まれたり、制度上の不正申請とみなされて補助金の返還を求められたりするリスクがあります。
※申請に関する助言やサポート(コンサルティング)を受けること自体は可能ですが、書類作成や提出そのものを丸投げしないようご注意ください
3. 不正が発覚した際の「恐ろしいペナルティ」
前述のとおり、無資格者による補助金の申請代行は法律違反となります。「知らなかった」「任せていた」「指示に従っただけ」という言い訳は通用しません。申請主体はあくまで事業者自身であり、その責任を免れることはできないからです。不正と認定されると、事業者が以下のような代償を支払うことになります。
- 補助金の全額返還と加算金・延滞金
受給した補助金の全額返還に加え、年利10.95%の延滞金や20%の加算金が課されます。 - 事業者名の公表
不正を行った事業者名や代表者名、内容が公式に公表され、社会的信用を失墜させます。 - 受給資格の喪失
以後5年間、国のあらゆる補助金・助成金の申請ができなくなります。 - 刑事罰(詐欺罪等)
悪質なケースでは詐欺罪(10年以下の懲役)等に問われ、逮捕・起訴される可能性もあります。
これらのリスクを負わないためにも、不適切な勧誘・営業には応じないことが重要です。
4. 怪しい業者を見抜くためのチェックポイント
補助金制度に関するサービスの紹介、サポートの提案と称して、以下のような謳い文句で成果報酬を目的として近づいてきます。1つでも当てはまるときは注意が必要です。また、有しているという資格は本当なのかもよく確認しましょう。
一例)
- 「自己負担ゼロで導入できます」「手間がかからない」「着手金不要」などと強調してくる
- 「申請業務を一括代行」「実績報告もすべてこちらでやります」などと提案してくる
- 「同じ方法で多くの実績があります」「これで100%採択されます」などと断言する
いずれも補助金制度のルールに反しており、他がやっているなら大丈夫だろう、グレーゾーンだから問題ないだろうという判断はとても危険です。こうした不適切な勧誘・営業には応じないようご注意ください。
正しい手続きが貴社の事業を守ります!
補助金は正しく活用すれば事業を飛躍させる強力なツールとなります。しかし、内容を把握しないまま安易な気持ちでルールを逸脱すれば、築き上げてきた企業の信頼を一瞬で失うことになります。
補助金の申請にあたっては、必ず該当事務局が発行している「公募要領」や「手引き」等をご自身で熟読し、制度を理解したうえでルールを遵守しましょう。もし過去の申請で不安な点がある場合は、事務局へのお問い合わせや、弁護士等の法律的に認められた専門家への相談をすみやかに検討することをおすすめいたします。